昔からマーケットの広がりは、まずイノベーターと呼ばれる先行層(新しもの好き、感覚が新しい、情報力がある等等)が購入し、世間に知られるように成り、それが「良い」と認識されると、大衆が「私も」マネをして購入し始めボリュームになっていきます。
この法則は、人間の特性だと思いますので、古今東西変わりません。
商品によって状況が異なるので、一概に言えませんが、多くは、ボリューム化すると大手企業が参入し、価格競争になります。(マーケットサイズにもよりますが)最初に売っていたのが小さな企業であれば、早めに撤退した方が安全です。ボリュームが増えて価格が下がると言うことは、基本的には薄利多売になるということです。
さて、人口減少が始まった国内で、これから薄利多売のビジネスモデルは、リスクが大きくなるはずです。
なくなるわけではありませんが、損益の分かれるボリュームを超えられないマーケットが出てくるのでないでしょうか。
時代を遡って考えると、大昔に単価が高かったのに、ある時期単価が劇的に下がった商品があると思います。
もちろん、製造方法などに改革があったことも要因ですが、ボリュームを売ることで(売ることが出来るようになったことで)、利益が得られるようになったためです。ファッションやインテリアなど、生活必需品ではなく、生活充実品です。豊かになって、今までは、それほどファッションやインテリアに気を遣わなくなった人も、そこに消費をするようになりました。
「レトロ感覚のインテリア」「北欧風の家具」「アジアンリゾート風」みたいな本来一部の趣味的なテイストであるものもメディアで紹介されることでボリューム化していったのは、よく考えると不思議でもあります。
しかし、マーケットが縮小してくると、シェアが上位の商品(企業)以外は採算が取れなくなるはずです。必要なボリュームを確保できなくなるからです。それはつまり、商品の選択肢(一般市場として)も少なくなると言うことです。そうなると、こういった趣味性の世界は広がりがなくなり、趣味性の高いお店まで行って探すほどではない一般消費者は興味がなくなります。
そうなるとボリュームはさらに小さくなり、シェア上位の商品ですら成立しにくくなります。
こういたことが、今後はあちこちで起こってくるのではないでしょうか。